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何で今、横浜にカジノなの?

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 横浜市は、現状の新型コロナウイルスの問題を鑑みて、市民説明会を中断し、「横浜IR(統合型リゾート)の方向性」、「実施方針」、「募集要項」の公表を6月から8月に延期しました。それでもカジノ事業を推進する考えは変わっておらず、粛々と計画を進めようとしています。

 私はIRに関する議論は、イメージや印象ではなく、法令や数字などの根拠に基づき、ロジカルに行うべきと考えています。IRは、ひとつひとつ順序立てて議論を積み重ねたうえで、最終的な意思決定していくべき事業です。

 カジノの市民説明会では、市民の皆さんが正確な情報を得て、正しい知識をもってIRを考えることができるようにすべきです。説明会資料にある横浜の現状は、あまりにも断片的な捉え方で、中立的、客観的情報が抜けています。

そこで「市民説明会で使用している資料の内容を全面的に見直すべきでは?」と聞いてみました。

横浜市答弁)「市民説明会では、本市がなぜIRの実現に向けて本格的な準備・検討を開始したのかをご理解いただくため、限られた時間の中で、可能な限り丁寧に、本市の現状をお伝えしています。資料の内容については、これまでも、説明会会場からのご意見や市会の先生方からのご指摘などを踏まえて、適宜、分かりやすくなるように見直しを行っているところです。また、延期となっている6区につきましては、ベースとなる部分は、これまでの12区と同様の内容を想定していますが、再開できる時期がまだ見通せないこともありますが、その時点で市民の皆様にとって最適な内容となるように、事業が進捗した部分のご説明も加えてまいりたいと考えています。」

 私の趣旨に沿った見直しは、まったく考えていないようです。横浜の現状を正確に把握することは、施策選択の重要なポイントです。市民に対して正しい情報を提供することが必要なのですが、そこは触れてほしくないようです。

 またIR事業を進める際の本市のリスクについても正しく市民に伝える必要があります。今回の議会の中で市長は「あらゆるリスクを想定する必要がある」と答弁しています。本市においても過去に売電事業者が倒産し、未納金の回収が不可能となった事例など、本市が泣き寝入りした事実が実際に存在しています。

そこで「IR事業者が倒産した場合など、事業の継続が困難になった場合の市のリスクはどうなるのか?」聞いてみました。

横浜市答弁)「国の基本方針案におきましては、IR事業の継続が困難となる事由としまして、IR事業の業績不振やカジノ事業の免許が更新できない場合、また、区域整備計画の認定が取り消される場合、災害の発生等のリスクが想定されています。国からの認定後、本市とIR事業者は、共同事業体としての責務を負うため、それらの分担を明記した実施協定を締結することとなります。なお、具体的には、現在委託している法務支援やアドバイザリー支援の中で、検討を進めてまいります。」

 IR事業者が倒産した場合のリスクについては、まったく触れていません。要するにIR事業者が倒産した場合は、市民の皆さんからお預かりした税金で補填するといったことなのです。

 市民の中には、IRは民設・民営なので、市の財政負担は一切発生しないと理解している方も居ます。しかし山下ふ頭にIRを整備するにあたっては、本市においてもインフラの整備など一定の支出がありますし、IR事業を前提とした前のめりの投資が存在しています。そのいった点も明らかにしたうえで、IRの議論をすべきだと思います。

そこで「IRを整備するまでの本市の支出はどうなるのか?」聞いてみました。

横浜市答弁)「IR整備法では、IRによる地域への効果をより高めるため、自治体として必要な施策を行うことが責務として定められております。その一つとして、現在、交通対策などIR区域外のインフラ整備等に関する検討を進めています。その内容や費用につきましては、認定された事業者と共同で作成する区域整備計画の策定までに、明らかにしてまいります。なお、これらの費用につきましては、将来、IR事業で得られる増収額の範囲で進めてまいりますので、IR事業全体として、市税の持ち出しはないものと考えているところでございます。」

 要するに、IR事業者の事業計画書に記載されている増収額を信じて、横浜市は先行投資してしまうということなのです。これも、予定通りいかなくなった場合には、市民の皆さんからお預かりした税金で補填するといったことなのです。

 また、市民の方が勘違いしている点として「IRができると税負担が安くなる」というものです。市民のメリットについても、正しい情報をしっかりと伝えるべきと思います。

そこで確認のため「IRによって税負担は軽減されるのか?」聞いてみました。

横浜市答弁)「IRの実現による増収効果をもって、市民の税負担を直接軽減することは、現時点では考えておりません。」

 私はこの横浜が将来にわたって持続可能な都市となることを願っています。税収をIRに依存することは、事業者の撤退や事業不振などが市政運営に大きな影響を与えることになります。SDGs未来都市を掲げている本市として、だれひとり取り残さない、持続可能な市政運営を進める上で、IRをどのようにSDGsの目標達成につなげようとしているのかはなはだ疑問です。

そこで「SDGsの目標達成に向け、IRがどのように貢献するか?」聞いてみました。

横浜市答弁)「横浜市は「SDGs未来都市」として、2030年を展望して、環境を軸に経済や文化・芸術による新たな価値・賑わいを創出し続ける都市の実現を目指しているわけです。このような中、横浜IRは、地域の創意工夫や民間活力を生かして、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現することで、観光や地域経済の振興を図るとともに、財政の改善に資することを目的としています。また、最先端技術の導入によるエリア全体でのエネルギーの最適化、持続可能な循環型都市エリアの構築、次世代交通システムの導入など、環境に配慮した次世代スマートシティの実現を目指しております。横浜IRは、SDGsが掲げる環境・経済・社会課題の統合的解決に、大きく貢献するものというふうに考えております。やはり何よりも、経済基盤の多くをしっかりと持続可能なように作っていくことが、すごく大事だという意味で、わたくしはIRというのは、将来の人口減少、特に労働生産人口が減少していく中で、先ほども副市長の方からもお話がありましたけれども、福祉、医療、子育て、教育、そういうことにどんどんお金がかかってくる中で、特にSDGsが未来都市として目指していくことに、経済的なベースとして非常にお支えすることになるのではないかと考えています。」

 SDGsの本質を理解していないようです。SDGsは、17のゴール・169のターゲットを断片的に達成するものではなく、それらが最終的に誰一人取り残されない持続可能な仕組みに繋がっていかなければならないのです。

 市長には、説明責任のみならず、説得責任があるのです。IRを実施するといったゴールありきの説明では、市民の皆さんは納得致しません。

将来の横浜の状況を正しく伝え、持続可能な都市をどのように作っていくのか?そのために何をすべきかを市民と一緒になって考えていくことが重要ではないでしょうか?そう考えると、横浜にIRは要りません。

今、横浜がやるべきことは、もっと市民の心の豊かさを育む施策に力を入れること。そしてシビックプライドを高めることです。

カジノの前にやるべきことはたくさんある!

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横浜は全国の自治体の中で一番税収の額が多く、個人市民税がその約半分を占めています。2045年に生産年齢人口が約50万人減少する中、個人市民税を減らさない戦略が重要であり、そのためには働く世代の方々に横浜に住み続けてもらい、他都市からは横浜を選んでもらえるような政策を展開していくことが、中長期的な視点として非常に重要です。

市政運営において将来を見据えて、しっかりしたビジョンを持ちながら進めることが何よりも重要です。そのためには数値に基づき将来予測をロジカルに整理していく必要があります。その際、まず押さえておくべきは人口動向です。
市長はカジノ説明会において、横浜は2019年をピークに人口減少社会が到来し、超高齢社会が進展し、危機的な状況が待っていると言っています。しかし、ほんとにそうでしょうか?日本全体と横浜市を比較すると、2020年と2045年で人口総数は15.1%減りますが、横浜市は7.8%減に留まります。要するに人口減少社会は、出生率、婚姻率、出産率といった日本全体の問題であり、横浜固有の問題ではありません。

また市長は、大阪市・名古屋市と比べて法人市民税(企業が納める税金)の額が著しく少ないからカジノで税収を増やすと言っています。これについても税収全体をきちんと見る必要があります。令和2年度予算で比較すると、税収全体の見込額は横浜市8,461億円、大阪市7,420億円、名古屋市は5,979億円と横浜が税収額全国の市町村1位です。そして横浜の税収の半分(49.4%)4,177億円が個人市民税です。

将来にわたり安定した行政サービスを提供していくためには、企業誘致等、法人市民税を増やす取組も必要ですが、それより何より個人市民税を減らさない戦略が横浜にとって必要であり、そのためには、働く世代の方々に横浜に住み続けてもらい、他都市からは横浜を選んでもらうような政策を展開していくことが、中長期的な視点として非常に重要なのです。

そこで今回の議会では林市長に「働く世代を呼び込み、横浜に住み続けたいと思ってもらえる市政運営が重要との考えに対する市長の見解」を伺いました。

市長は、今後も横浜が成長を続けていくためには、若い世代に横浜を選んでもらい、住んでいただくことが重要との認識のもと、子育て・教育環境を充実させるということ、企業誘致による働く場の創出、緑豊かな環境を整備するなど、市民の皆様の暮らしやすさを更に向上させていくことが必要だという考えを示しました。また、文化・芸術活動の推進による都市の魅力向上など、横浜に住みたいと思っていただけるまちづくりを総合的に進めて行くとの方針を示しました。

それがカジノ誘致やオペラハウス建設なのでしょうか?人口減少社会において転出超過(横浜に越してくる人より、横浜から他都市に引っ越す人が多い状況)は、まさに横浜市の問題なのです。働き盛りの人々に横浜を選んでもらうために今、横浜がやるべきことは、もっと市民の心の豊かさを育む施策に力を入れること。そしてシビックプライドを高めることです。カジノではありません。そういった提言をしながら今回の議会では9項目24問を市長に質問しました。

IR(カジノ)の推進の停止を求める要請

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新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、林市長はIR(カジノ)市民説明会について、残り6区の開催を延期するとのコメントを発表しました。市長のこの判断は評価しています。

IR(カジノ)の計画は、十分な検討がなされず問題が多いことを認めながらも、市内18区をまわり市長自ら市民に説明をして市民の理解を得て推進していくとの方針を示しましたが、今年度内に全区でIR(カジノ)市民説明会を開催する目途が立たなりました。

しかしながら市長は、IR(カジノ)計画は、スケジュールを見直すことなく、粛々と進める予定となっています。

そこで私たちの団は、市民への説明がしっかりとなされない状況を鑑み、事業者選定を含め、すべてのIR(カジノ)関連のスケジュールを停止することを林市長に要請しました。