年月ごと

柏の葉アーバンデザインセンターから学ぶもの

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東京中心部から30km離れた柏の街に何故かアーバンデザインセンターがあります。 アーバンデザインとは、都市の環境と都市空間、市街地などの計画設計をすることなのですが、 この柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)は、東京大学教授であった北澤猛先生の提唱により、 行政と民間と大学が参画してまちづくりの企画・調整機能の一部を行政外部に独立したかたちで置き、まちづくりを進めようとしたものです。 この地の歴史は幕府の放牧場から始まり、陸軍飛行場として使用された後に、その広大な跡地を考えた時に、 行政主導ではないまちづくりを目指して設立されたのがUDCKなんです。 まさに市民参画や地域主導型のまちづくりと言えます。 UDCKは7つの構成団体で共同運営されていますが、 民の中心となる主体者は三井不動産で、 学の中心主体者は東京大学です。 三井不動産はマンションやららぽーとなどを建設しながらこの町に様々な付加価値をつくる魅力を高めることを行っています。 東京大学も理系学部の一部を柏キャンパスとして移転してまちづくりに関する様々な研究や実証実験を行っています。 UDCKは、1枚の共通認識カードで自転車、バイク、車を利用できる社会実験を行ったり、市民活動の場として貢献しています。 これらの新たな取り組みの流れをつくるのはUDCKの重要な役割ですが、 将来的には地域の生活者が主体者となり活動などが継続していくことが重要であり、 今後のUDCKの活動に注視しています。 横浜市全体としてこの考えを導入していくには様々な課題がありうまく進んでいませんが、 横浜市内の各区ごとの取り組みには、このUDCKの活動は大いに参考になると思います。 横浜中心部のみで社会実験をしているコミュニティサイクルも、 このような仕組みがあれば鶴見区においても実施できるし、まちのクラブ活動も活発になると思います。

神山町視察報告(3)神山アーティスト・イン・レジデンス(ARI)

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神山アーティスト・イン・レジデンス(ARI)は、 神山町で行っている国際的なアート・プロジェクトなのですが、 既に16年も続いている取り組みなのです。 何故、そんなに継続できているのか? そして田舎町に国際的なアートはマッチしているのか? 様々な疑問を持ちながら実行委員会の杉本会長にお話を伺いました。 最初の私のイメージは、国際的なアート作品を神山に残し、 それを展示することで観光局を誘致することだと思ったのです。 そもそもアーティスト・イン・レジデンス(ARI)は、 国内外のアーティストを一定期間神山に呼んで、 滞在中の創作活動を支援する取り組みなのです。 ここで面白いのが、この活動を立ち上げたメンバーは、 芸術の専門家でもなく、英語が堪能な訳でもなかったのです。 それでも毎年3人程のアーティストを神山に約2か月間招き16年継続しているのです。 この取り組みはアーティストが作った作品がよりも、 作品を作り出す過程の方が重要なのだと杉本会長は教えてくれました。 アーティストが滞在している間の宿泊施設やアトリエを提供するだけではなく、 作品を作るにあたっての材料探しから資材の運搬、手元作業まで 地域の方々がお手伝いをしているのです。 また、作品の制作だけではなく、アーティストは地元小中学生の課外授業に参加したり、 地域の人々と食の交流を行ったりもします。 その活動自体が神山の街づくりに貢献しているのです。 そして16年継続できた秘訣は、無理をしないことと杉本会長はおっしゃいます。 「自分たちに出来る範囲で行う。そして芸術的なレベルを高めていくといった目標設定をしない。」 そんな杉本会長のスタンスがこの町に国際的なアートがマッチングし継続できた理由だと感じました。 横浜もトリエンナーレといった現代アートの国際展を3年に一度開催しています。 一定期間の展示だけではなく、本来はアーティストの活動自体にもスポットをあてて 地域との繋がり深め、街づくりに貢献できるイベントにすべきだと私は思いました。 (神山町の視察報告はこれが最終回!)
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神山町視察報告(2)空き家・商店街再生とサテライトオフィス

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グリーンバレーの取り組みの中に空き家・商店街再生とサテライトオフィスがあります。 この2年間でIT系ベンチャー企業9社が神山町にサテライトオフィスを開きました。 そのひとつがSansan株式会社の神山ラボです。 空き家を改装してオフィスとして使用しているのです。 東京本社との打ち合わせはSkypeを利用しています。 開設当初は、技術系社員がこのオフィスを使用していたそうですが、 今では、営業系もこの神山ラボで仕事をしているそうです。 要するにICTインフラがあれば対面じゃなくても営業業務が成立することを実証したのです。 横浜に当てはめて考えた場合、密接な関係にある道志村においても成立する可能性があると感じました。 そこまで大胆な発想をしなくても、 地域のシャッター商店街の再生に貢献できるヒントがあると感じました。 株式会社ソノリテも神山町にサテライトオフィスを置いた会社のひとつです。 江崎社長はコールセンター業務をこの神山に置き3人を雇用しました。 これらのオフィスはグリーンバレーが将来、町にとって必要な働き手や起業家を逆指名して 計画的に作り出したものなのです。 そして空き家の再生も計画的に行っているのです。 株式会社ソノリテが使用しているブルーベアオフィス神山は、 一部を東京藝術大学の大学院生を中心としたボランティアと地元の大工さんが協力して改修しました。 そしてその改修費用をグリーンバレーが持ち、 オフィス賃料に上乗せして貸し出しているのです。 ですから空き家を再生してオフィスとして使いたいといった人が居ても 初期投資を抑えて計画的に事業を進めることができるのです。 このブルーベアオフィス神山は、階高が高く断熱性能も高くないので温調には苦労するそうですが、 それ以上にこの場所で仕事をする魅力があります。 今の世の中、まわりを見回せば私たちの身近にも 仕事が原因で心の病気に掛かってしまう人がたくさん居ます。 心豊かに暮らすせる環境がこの神山町には詰まっているように感じました。 そして、私はこの神山町が将来どうなるのだろうと考えました。 住みやすい町として人気になっていったら、 必ず資金力のある企業が営利目的で開発をするのではないか?と心配になりました。 そこまで大胆なことにならないにしても、 若い人が増え、この町に人が集まり消費が増えていくと、 コンビニが乱立したり、フォーストフードショップが出来たり 国道沿いにパチンコ屋やゲームセンターが出来たりしたら、 この神山の魅力はなくなってしまいます。 ですから大南理事長は無理をしないのです。 しっかりと丁寧にひとつひとつ作り上げているのです。 神山に必要なものを逆指名しているのも深い意味があるのです。 横浜も先代が作り上げてきた町並みがあります。 芸術的にとても価値のある歴史的建造物が壊されつつあります。 みなとみらい地区にも張りぼての結婚式場がオープンします。 一番大事なことは町並みの見た目ではなく、 横浜を良くしようという想いを共有して街づくりをすることです。 行政であろうと地域住民であろうと事業者であろうと ここを担保しなければ将来に良い街を残すことはできません。 その共有する仕組みを作るのが行政や我々議員の役割であると思います。

神山町視察報告(1)グリーンバレー

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羽田から徳島空港までは飛行機で50分、 徳島空港から神山町までは車で50分、 横浜からの距離は600km以上あっても、 時間的には身近に感じる場所にあるのが神山町です。 今、そこで様々なことが起きているのです。 人口6千人くらいの田舎町に 若いクリエーター達が集まってきているのです。 そして遂に転入者が転出者を上回ったのです。 そして新たな雇用も生み出しているのです。 その中心となって活動してきたのがグリーンバレーです。 徳島県は1997年に新長期計画の中で とくしま国際文化村プロジェクトを立ち上げました。 その時に大南理事長(グリーンバレー)は、 「国や県が作る施設であっても、住民が管理運営する時代が到来する」と考え、 住民の描くプランを県に提案しようとアクションを起こしたのです。 そしてグリーンバレーは「日本の田舎をステキに変える」ことをミッションに 今までに様々なプロジェクトを実施してきました。 (つづく)

視察報告「水都大阪」

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皆さん「水都大阪」ってご存知ですか? 【水都大阪推進委員会ホームページはこちら】 横浜に住んでいると、あまり聞いたことのない言葉かもしれません。 大阪では水辺を活用して街づくりをしており、 これを総称して「水都大阪」というのですが、 最近では、水辺のある地方都市で 「水都~」という言い方が流行っているようです。 その最先端を行く「水都」発祥の地が大阪なんです。 何がすごいって、通常ではなかなか許可がおりないことを 大阪では色々と実施しているんです。 誤解を生じるといけないので説明を付け加えますが、 違法なことをしたり、規則や条例で定めを守らないということではないんです。 あくまでも合法の範囲なのです。 しかし普通は残念なことに合法なことであっても、 前例が無いことや、新たな取り組みに対して 実施することはたいへん難しいのです。 【画像は水都大阪HPより】 例えば「巨大こけし」を設置しようとすると、 高速道路を走行するドライバーがこけしに気を取られて 事故を起こしたら、誰が責任を取るんだ! ということで警察から却下されてしまうんです。 【画像は水都大阪HPより】 水辺の上にデッキをつくり飲食をしようとすると、 酔っぱらった人がゴミを川に投げたら環境汚染になる。 と行政は出来ない理由を考えるのです。 日本の制度では、許可を出した責任者や企画した申請者が 罰せられる仕組みになっているのです。 だから、実施していることは凄いことなんです。 きっと、誰かが腹をくくってやっているハズです。 もちろん、水辺の利活用により魅力ある大阪をつくるんだ といった市長や知事の方針の影響も大きいと思いますが、 それだけでは縦割り行政を動かす程の力にはなりません。 行政の職員や地域住民の想いが全て一致して 実現できることなのです。 大阪では、平成13年に「都市再生プロジェクト」を立ち上げ、 内閣官房都市再生本部において「水都大阪の再生」を決定しました。 その後、ハード面では都市整備を行い、 ソフト面では、イベントやまちづくり活動との連携を図って参りました。 その結果、公民協働で2009年に「水都大阪」を実施することが出来ました。 もちろん大阪においても初めから今の規模で実施していた訳ではありません。 小さなことから試験的に始めて、 場合によっては民間が予算持ち出しで取り組み、 ひとつひとつトライ&エラーを繰り返しながら 官民の信頼関係を構築し、 この規模で実施するまでに育てていったのです。 横浜の場合、水辺を考えた時、 最初の思いつくのは港だと思います。 大阪での取り組みは港ではなく、主に河川。 何故、河川なのか? それには立地だけではなく、 その他にも理由もあると感じました。 河川の管理者と港の管理者は違うのです。 港は港湾が管理しているのです。 港湾で街づくりを考えたり 先進的な取り組みをしたりすることは、 本来の港湾の主目的とは違ってしまうのです。 だから、壁が厚く難しいのです。 先日の港湾局の決算審査で私は、 港湾局は時代の変化に柔軟に対応する必要があると意見を述べました。 そういう意味で考えると、 横浜の港は引き続き、街づくりといった観点で魅力づくりを考えるとして、 河川を利用した魅力づくりの方が先進的な取り組みをしやすいのでは? といった観点で調査を進めています。 私の地元には鶴見川があります。地域の方からも 「もっと鶴見川の魅力を引き出すことは出来ないか?」 といったご意見を頂きます。 河川敷をサイクリングロードにしたり、 市民の憩いの場にしたりと まだまだ工夫の余地はあるだろうと。 鶴見川は一級河川です。 所管は、国土交通省。 一部、河川管理を横浜市が所管しています。 鶴見区では、昔は河川がよく氾濫し、 周辺地域が水浸しになったと聞いています。 河川管理の第一目的は、安全と安心です。 現在は、鶴見川の護岸も整備され、 河川が氾濫することも無くなりました。 地域住民にとって、安全と安心は第一優先です。 しかし、これからの時代は、横浜を誇りに思える、 そんな魅力ある街づくりを進めて 次の世代に引き継いでいかなければならないと 私は考えています。