年月ごと

大和市の文化創造拠点シリウスとは?

投稿日時:

大和市文化創造拠点は、子どもから大人まで、芸術文化や生涯学習の素晴らしさ、新しい知識・人々との出会いの場として平成28年にオープンした複合施設。

中核をなすのは、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場。

この地は相鉄線の地下化を契機に、再開発が進められていましたが、景気の悪化等から当初予定していた住宅を基本とすると計画を見直し現在のかたちとなって再開発が進められました。全体の建設費は160億円ですが、余剰床分を147億で大和市が負担して取得しています。図書館部分の建設費は44億円。

施設は、6社の共同事業体が指定管理者となって運営を行っています。指定管理用は全体で約8億円。

大和市の市民ホールは老朽化等の問題を抱えており、新たなホール建設の声を受け、1007席の市民が一同に集えるホールを建設しました。新しく出来たホールは、メインホール、サブホール、ギャラリーからなり、プロのアーティストの公演や展示のほか、市民参加できるイベントも開催しています。

新しい図書館では多様なニーズに応えられるよう、さまざまなジャンルから幅広い蔵書を揃え、最新のシステムの導入によりICタグによる蔵書管理すると共に、無人化による貸し出し、返却を行っています。

健康都市図書館というコンセプトで、図書館の中にある健康テラスで毎日講座を開いています。健康度見える化コーナーもあり、健康測定器を置いています。以前は、機器を健康福祉センターに置いていましたが、ここに置くようになって10倍の利用となったそうです。

書架が1階から5階まであり、館内であれば本の持ち歩きも自由で、飲み物を飲みながら本を読むことができます。座席も800席以上のキャパを用意しており、ゆっくりとくつろぎながら本を読むことができます。蔵書は現在39万冊。月に5~6万冊の貸し出しをしているそうです。また点字図書室や対面朗読室も設置されています。

生涯学習センターでは、市民の「学び」をサポートする学習センターでは、団体・サークルなどで活動をされている方々の活動の場として、さまざまな仕様の部屋を提供しています。会議室は全てガラス張りとなっていて、明るく開放的なつくりとなっています。

屋内こども広場では、小さな子どもを預かる保育室も用意しています。げんきっこ広場は、3歳から小2までを対象に、ボーネルンドプロデュースの遊具を使い、親子の遊びの場を有料で提供しています。

これらの各々の機能を融合させることで、この複合施設のメリットが生まれています。例えばホールのコンサートを目的に来た方が施設を回遊することも多く、現に図書館の新規購読者も増え続けており、新たなニーズの開拓に役立っています。

施設外への効果もあり、地域周辺の人出も増えたそうです。また、この再開発事業が直接の要因か定かではありませんが、周辺の時価が上がっているもの事実です。

再開発事業には長い時間と莫大なお金が掛かります。それだけに調整は大変なことですが、事業単体で見るのではなく、もっと広いエリア全体を考え、そのエリアに何が求められているのか?そして、その役割を果たすためには、どのような仕組みが必要なのか?その仕組みをつくるためには、そんなハードが必要なのか?といった大きな視点で再開発事業を進め、街をつくっていくことが重要です。

武蔵野市のコミュニティバス

投稿日時:

武蔵野市ではムーバスというコミュニティバスを運行しています。
お年寄りが市長に手紙を出したことをきっかけに事業化されたコミュニティバスです。

 

ムーバスは、廃止代替バスや福祉バスではない、行政主導の一般乗合のコミュニティバスとして全国で初めてH7年に運行開始されました。

交通空白・不便地域を解消し、高齢者や小さな子ども連れの人など、全ての人が気軽に安全に、街に出られるようにすることを目的としています。

 

ワンコイン100円の運賃で200m間隔を基本としてバス停を設置しています。
年間260万人が利用しており、市民1人あたり年間18回乗車している計算になります。

 

ムーバスは民間バス事業者に委託して運行していますが、
行政の補助額は昨年度で年間5600万円ほどで、
1回あたりの乗車に換算すると20円ほどの補助額となります。

現在、武蔵野市の高齢化率は22%。
平成3年は11.7%だったので高齢化は進んでおり、
コミュニティバスのニーズは増えているとも言えます。

 

鶴見区でもコミュニティバスを求める声は多くあります。
以前、鶴見区では試験的にふれあいバスというのを運行していましたが、
利用率が低かったために廃止となりました。
ふれあいバスは本数が少なく使い勝手が悪かったこともあり、
利用率が上がらなかったのかも知れません。

 

もっと本格的に運用をすれば利用率も上がるかも知れません。
武蔵野市の人口は鶴見区の半分で面積は鶴見区の3分の1くらいです。

 

単純比較はできませんが、人口密集率で言うなら、莫大な補助金を投入しなくても、
鶴見区でも、ある程度採算が合う運用ができるのではないかと考えます。
今後も、高齢化と移動手段の在り方については調査研究を続けてみたいと思います。

フィリピン視察(横浜市との連携協定)

投稿日時:

JICAフィリピン事務所にて、横浜市の国際技術協力と市内企業の海外展開支援について話を伺ってきました。横浜市とJICAと包括連携協定を結んでいます。

横浜とフィリピンとの関係はと言うと、マニラとの姉妹都市をはじめ、Y−PORT事業ではセブ市と、シティネットではイロイロ市と関係を持っています。

横浜市は都市間ネットワークを活かして、国際技術協力や市内企業の海外展開を進めています。地方自治体として、海外とどのような関係性でどのような取り組みを行うかは国と違って範囲が限定されることもありますが、国内最大規模の横浜市が率先して世界に目を向けていくことは重要だと思います。


フィリピンは東南アジアでも経済成長はトップクラスで、
人口は1億人を超え今後も増え続け、1人あたりの所得が現状で3千5百ドル/年あり、今後1万ドルまで引き上げることを目標としています。

しかしながら現状は、貧困率は26%程度で、目標としている15%までは、まだまだ目処が立っていません。

 
また、人口は増えているものの国内産業の発展が追いついておらず、
人口の1割は海外に出稼ぎに行っていて、海外の経済に依存している状況もあります。


だからこそ、日本の企業や横浜市内企業のビジネスチャンスの可能性があり、
横浜市としてどういう役割を果たすべきかが今後、重要となってきます。

観光資源を活かす ONOMICHI U2

投稿日時:

ono02<\/p>

ONOMICHI U2は、海沿いにある県が所有する倉庫をリノベーションしサイクリストのための様々なサービスを提供するといったコンセプトの複合施設です。<\/p>

sho03
倉庫の中で小さな街をイメージして主に宿泊施設や飲食、物販を行なっています。<\/p>

sho01
自転車でここまで来た場合は、自分の自転車をホテルの部屋の中まで持っていくことが出来ます。
ONOMICHI U2で自転車の受取、発送も可能なので、ここまでは輪行なしで電車で来るといったことも可能です。<\/p>

gia01
また倉庫の中にはジャイアントストアもあり、
自転車のレンタルも行なっていますので、手ぶらで来て、ここからしまなみ海道を渡ることも出来ます。
今治にあるジャイアントストアと提携しているため、
ここで借りたレンタサイクルはしまなみ海道を渡った後に乗り捨てすることも可能です。<\/p>

gia02
この施設を運営しているのはディスカバーリンクせとうちという民間会社。
県がずっと活用されていなかった倉庫を提案型公募したのをきっかけに現在の施設となりました。
県と事業者との初期投資の費用分担は、ハードに関しては、主インフラ整備と耐震補強は県が行い、それ以外は事業者が負担するといった区分となっています。
そして倉庫の使用料を事業者が県に支払うといった契約となっています。
ちなみにこの倉庫は2000m2あって使用料は70万円/月とのこと。<\/p>

sho02
この施設はスケルトンからつくりあげており、内装グレードが高いので、
工事費だけでも相当掛かっているはずです。
事業として見ると、利回りは悪いように見えます。
それでも何故、ディスカバーリンクせとうちはこの事業を行なったのか?<\/p>

hot02
それは、尾道のまち全体の魅力を観光に繋げて雇用を創出し持続可能なまちづくりをしていきたい。
そのためには、自らリスクを負って取り組んでいかなければ街は良くならないと覚悟を決めたからだそうです。<\/p>

15016214
そういう理念のもと、ディスカバリーリンクせとうちは、
まち全体の在り方を考え、魅力あるまち並みを未来へと繋いでいくため、様々な取り組みを行なっています。<\/p>

hou06
そのひとつが、歴史ある建物を再生活用するプロジェクトとして「せとうち湊の宿」です。<\/p>

hou02<\/p>

hou04<\/p>

hou07<\/p>

hou08
これは、空家となった歴史ある建物をリノベーションして民泊として活用するものです。<\/p>

sha01
その他にも「ONOMICHI SHARE」というシェアオフィスを運営しています。<\/p>

sha02
これも尾道水道に面した一等地にある港湾施設が書庫として使用されていたため、
尾道市が実施した公募型プロポーザルにて採用された活用方法です。<\/p>

sha03
横浜においても港湾の役割が時代とともに衰退していく中、
横浜の港の魅力を観光資源として活用するといった取り組みが必要です。
通常の場合、岸壁は港湾用地のため様々な規制があり、モノを置くことすら出来ない状況です。
ONOMICHI U2でも倉庫外の活用については厳しい規制がありましたが、
現在は、県の理解もあり、岸壁をオープンデッキとして活用できるようになりました。<\/p>

dec01<\/p>

dec02
横浜においても、もっと柔軟な発想で柔軟な運用をしていく提言をしていきたいと考えています。<\/p>

15000753

福岡市の高齢者住まい・生活支援を学ぶ!

投稿日時:

fuku01

お題目から少しズレますが、先ずは福岡市の住居の状況について記します。

平成25年の住宅・土地統計調査によると福岡市の住宅総数は85万4千戸。空き家は10万5千戸(12.2%)。

特徴としては共同住宅率が77.6%(全国平均42.4%)とめっちゃ高いのです。

そして借家率も61.0%(全国平均35.5%)と高く、

単身世帯率は47.7%(全国平均32.4%)とこれも高い。

なのにバリアフリー化率は45.1%(全国平均50.9%)とあまり高くない状況です。

これは企業の転勤者の入れ替わりが激しいということなのでしょうかね?

fuku04

ここで話を戻して高齢者の住まいについてですが、福岡市の入居制限に関する事業者アンケートによると、入居希望者に対してお断りする場合があるとの回答は年々増加し81.6%となっています。

入居をお断りする場合の世帯に関しては、高齢者だけで住む世帯(単身者、夫婦世帯)が26.2%と以外に多く、連帯保証人等の確保が困難な高齢者の入居は断ると回答した事業者は77.4%となっています。

そして連帯保証人がいない高齢者の入居を断る理由について金銭的な保証及び緊急時の連絡先が共に得られないためが67.1%と一番多い理由です。

そこで福岡市ではこの課題を解決すれば高齢者が安心して住まいの確保が出来ると考えモデル事業を始めました。

福岡市のスキームは、社会福祉協議会が主体となり、家賃債務保証セクターや専門相談、緊急時対応、権利擁護、見守り、死後事務委任、家財処分、寺院・霊園、葬儀社、生活支援サービス、コーディネート等のフラットフォームを活用して入居困難高齢者と不動産会社の協力店との間に入り繋ぐといったものです。

この事業の最大の課題は財源。基本的にはサービスを受ける費用は利用者負担ではありますが、この事業を運営する運営費は福岡市の補助で賄っています。今後は事業手法の確立を目指し、障がい者世帯や外国人世帯、子育て世帯へと対象者を拡大していく予定です。

fuku05

それでは横浜市の場合はと言うと、民間住宅あんしん入居事業という同様の事業を平成16年からやっており、高齢者の入居拒否といった実態はあまり無いとのことで、この事業のスキームの中で保証会社が柔軟に対応をしており、保証料も2年間の契約で家賃の30%で、

・24ヶ月を限度額とした未払い賃料の代位弁済

・残置家財等の撤去費用についての代位弁済

・原状回復費の代位弁済

・家賃滞納による明渡し訴訟等に要する費用についての代位弁済

を賄っています。

そしてこの事業の対象者は世帯主が60歳以上の世帯だけではなく、障がい者世帯、外国人世帯、ひとり親世帯、特定疾患者世帯、DV被害者、児童福祉施設出身者、ホームレス自立支援センター退所者、子育て世帯と対象者も幅広く、あんしん入居事業としては十分対応しているように思えます。

しかしながら実態を見ると、成約件数のピークが平成18年度の405件で、そのうち344件は生活保護受給者で、高齢者の成約は24件でしたが、平成26年度には成約件数は30件で、その内、生活保護受給者の成約が24件で、高齢者の成約は4件でした。

生活保護受給者については保護費の中に保証費が含まれているか否かの過去の経緯に大きく影響を受けているように感じますが、

高齢者の成約自体は、全体的に多くはなく、ニーズが無いのか?事業自体が利用しにくいのか?事業の存在を知られていないのか?更なる調査研究が必要と考えています。

何れにしても地域ごとに状況や条件は異なり、課題解決に向けた対応策は異なることを十分理解した上で他都市の事例を参考にしていくことが重要です。